今回はメダリストコンタクトが安い理由について調査しました。
メダリストコンタクトが安い理由
かつて、コンタクトレンズは２万円以上と高額で、ハードコンタクトのみの種類しかなく、一部の人にしか手にすることが出来ない高級品でした。
ところが近年は使い捨てが出来る安価なコンタクトレンズが開発され、コンタクトレンズ専門のチェーン店が多く展開されるようになってきて、多くの人が気軽に購入できるようになりました。
多くの種類のコンタクトレンズの中でも、メダリストコンタクトは、ワンデーの価格で見ると、平均価格2,000円程度する1箱30枚入りで1,246円からあり(ネット通販で最安値)、とりわけ安い価格となっています。
何故ここまで安くソフトレンズコンタクトを提供できるのか、ホームページに安さの理由が掲載されていなかったため、以下の通り、コンタクト市場の情勢から考察しました。
日本のコンタクト情勢とボシュロムの動き
1970年代、ボシュロムはコンタクトレンズ業界の先駆者的存在として、最盛期には7割程の市場シェアとなっていました。
ところが、1980年代半ばにジョンソン・エンド・ジョンソン（J&J）が、安価に大量生産できる製法開発したビスタコンという会社を買収し、誰もが実現できないと考えられていた使い捨てタイプのコンタクトレンズの量産体制を確立してから、ボシュロムの独占市場は崩れていくことになりました。
1991年、J＆J は使い捨てコンタクトが浸透していなかった日本においても販売を開始し、眼科医や販売店に粘り強く営業を続け、使い捨てコンタクトの日本における先駆者としての地位を確立しました。
こうして海外メーカーの市場シェアは日本国内で拡大傾向となり、日本のコンタクト産業は海外メーカーでほぼ独占され、輸出総額が輸入総額より多くなってしまう輸入超過に陥るほどでした。
こうした中、日系企業も地道にコンタクトの開発に力を入れ、メニコンの創業者である田中恭一氏は国内初の角膜コンタクトレンズの実用化に成功しました。
メニコンは長い研究期間を経て、次世代素材「シリコンハイドロゲル」を採用した使い捨てコンタクトレンズ「シリコンハイドロゲルレンズ」を戦略的に展開していきました。
メニコンのシリコン素材レンズは日本国内のみならず海外でも人気を得て軌道に乗り、生産ラインを増設し続け、海外への輸出も行いながら成長を続け、シリコンハイドロゲルの使い捨てコンタクトは今や同社の主力商品の一つになりました。
シリコン素材レンズの日本での市場規模は近年、成長の一途を続けており、高い酸素透過性で眼の負担を軽減出来ることから、国内市場全体においては約４0％のシェアとなり、今の日本ではシリコン素材レンズの人気が急上昇しています。
ボシュロムのシリコンハイドロゲル
ボシュロムは、日本では「アクアロックス」というシリコン素材レンズを展開しており、ワンデー30枚入りの１箱の価格は3,800円程(最安値)です。
一方、J＆Jとクーパービジョンのワンデー 30枚入りは2,600円程(最安値)からであり、ボシュロムの方が高額となっています。
2022年10月現在、売上ランキング20位以下でメーカー在庫は欠品となっており、高額な価格と在庫の少なさからは、日本でのシェアはまだ低い状態であることが伺えます。（※価格.com）
日本市場での低価格化とその理由の考察
シリコン素材レンズが好調の日本においては、ボシュロムはJ＆J やメニコンの様に、シリコン素材レンズの量産体制が確立したという情報が無いため、大量生産によるシリコン素材レンズの低価格化が出来なかった結果、日本の市場でのシェアが落ち込んでいる状況にあると考えられます。
現に、日本市場の1日使い捨てレンズのシェアは現在では6番目まで落ち込んでしまっています。
上記の情勢を踏まえて考察すると、安さの理由は、従来の主軸素材であるプラスチック素材「ヒドロキシエチルメタクリレート」（省略名称「HEMA」ヘマ）で出来た、メダリストコンタクトを「低価格」という付加価値をつける事で、販売促進を図り、日本の市場のシェアを維持しようとした結果ではないでしょうか。
ボシュロムの世界的なコンタクトの生産体制には、今までとは変化は無い様なので、物流や生産面での変化は無さそうです。
HEMA素材ゆえに、含水率が高いなどのデメリットはあるものの、実際に使っている方の口コミを見ると、装用感はさほど悪くなく、目の疲れがまったくない方は問題なく使用できます。
シリコン素材の良さである、酸素透過率の高い着け心地、目の潤いの持続性、瞳の酸素透過性による眼球の保護など、高い品質を求めない方にとっては低価格であることは魅力的であると言えます。
メダリストコンタクトの悪い口コミ
そんなメダリストコンタクトですが、悪い口コミがありましたので、まとめました。
メダリストコンタクトを使用している方の口コミを見ると、大体の方が目の渇きについて言及しています。
目の乾き易さは素材と含水率の高さが関係しています。
メダリストコンタクトの素材であるHEMAは水分を含ませると柔らかくなる素材です。
メダリストコンタクトは含水率59％と、含水率が高いコンタクトで、高い含水率により、HEMAがスポンジの様に水分を吸い込むことによって柔らかくなり、着け心地の良さを実現しています。
一方で、含水率が高くなればなるほど、眼球上の水分がレンズに吸収されてしまうので、高含水のコンタクトレンズは目が乾きやすくなってしまいます。
メダリストコンタクトの良い口コミ
メダリストコンタクトの良い口コミをまとめました。
口コミを見ていると、やはりコストパフォーマンスの良さは抜群という点で人気を集めています。
また、着け心地の良さは注目すべき点です。
着け心地の良さは、先述した素材と含水率に加え、レンズの厚みも関係しています。
メダリストコンタクトは厚みが薄い事も特徴で、メダリストII（２Week用）は、レンズの厚み（中心厚）が0.03㎜となっており、他社のコンタクトレンズの全体的なレンズ厚が0.07mmから0.085mmまでの間で集中している中でトップの薄さとなっています。（メダリストプラスワンデーは0.09mm）
メダリストコンタクトは、高い含水率を実現する他、目が酸素を吸収できるよう、酸素透過性を高める加工も施されているため、より酸素透過性を高めるためにレンズを薄くしています。
より柔らかく、酸素透過性の高い快適なレンズを追及した結果、薄く、ゴロゴロ感を軽減する装着感の良さに繋がっています。
メダリストコンタクトは長時間着けていると違和感が出てくるという半面、柔らかくて薄い着け心地の良さと価格で、そのデメリットをカバーしていると言えます。
メダリストコンタクトでより安く購入するコツ
ネット通販でコンタクトを取り扱い出来る店舗が増えているので、ネットを活用すると通常よりも安く購入することが出来ます。
コンタクト専門店の場合、メダリストプラスワンデーは店頭参考価格帯：¥2,290 ～ ¥2,290 のところが、最安値で１箱1246円であり、激安価格となっています。（※価格.com）
店頭にクーポンを提示する方法もありますが、それを上回る安い価格でネット通販で購入することが可能です。
記載した最安値は送料を含まない価格となっていますので、送料を考慮して、店舗かネットを選択しましょう。
メダリストコンタクトはどんな人に向いている？
メダリストコンタクトは、目の乾き易さがデメリットとして挙げられますが、価格が安い点と着け心地の良さのメリットからは、コンタクトに価格を重視したい方に向いていると言えます。
ボシュロムは以前として世界的シェアは4位の販売数を維持しており、世界で初めてコンタクトレンズを広めた企業として長年の実績と堅実な企業風土があるため、安くて安全性の高いコンタクトを買うことが出来るというのは最大の魅力です。
日本ではシリコン素材レンズが人気を博し、大手のメーカーはこぞって安くて高品質なコンタクトレンズの開発を進めています。
メダリストコンタクトは、老舗のコンタクトレンズメーカーとして、これからもその安定の価格と品質によって、気軽に購入することが出来るコンタクトとして、多くの人に指示され続けることでしょう。