あおちゃんを救う会について調査しました。
あおちゃんを救う会とは
あおちゃんを救う会とは、東京都豊島区で生まれた佐藤葵ちゃんの心臓移植手術の実現を支援する団体です。
あおちゃんは、生まれてすぐ心臓に大きな病を抱えていました。
心臓の血液を送り出すポンプ機能が弱り、ペースメーカーと補助人工心臓の手術が必要な「先天性心疾患 心内修復術後 重症心不全」という病名。
心臓移植しか生きる道がないとまで言われますが、臓器提供者が日本にはいません。
そこで、海外での心臓移植を決意。
海外での心臓移植は、日本人の公的医療制度(保障)が適用されず、手術費・医療専用チャーター機の渡航費・入院費など…と想像もつかない費用が必要です。
血栓や感染症により脳梗塞のリスクもあるため、両親も交代で24時間付き添っています。
親が子をどうにかしたいという気持ちは、親なら誰もがありますよね。
あおちゃんの心臓移植が海外で行われるということで、莫大な資金が必要となり募金活動を行うようになりました。
あおちゃんを救う会が「怪しい」との声はなぜ?
心臓移植により、「誰がを救う会」というのは今までも何件かありました。
しかし、今回のあおちゃんを救う会は「怪しい」という声が一定数あるようです。
なぜ「怪しい」という声が出ているのか3つに分けました。
1.金額が高すぎる
2.マスコミを多く使用した
3.過去にウソの事例があった
金額が高すぎる?
まず、今までの誰かを救う会と称して募金活動をしたのはせいぜい数千万円~3億円ほどです。
あおちゃんを救う会では、5億円を集めたいと活動していました。
「5億円」という膨大な金額に、一部の人では批判もあったようです。
高額の原因は、円安と新型コロナの影響と言えます。
海外での心臓移植にどれだけの費用が必要が分からない人にとって「そこまで費用が必要なのか」「余ったお金で贅沢な生活を送るのでは」といった声があるようです。
あおちゃんの家庭がどうか分かりませんが、一部では「マイホームや良い車を持ってるなら売る」「これだけお金を集めるのだから、今後最低限の生活で暮らして」など厳しい声も見つかっています。
マスコミを多く使用した?
2つ目に、あおちゃんを救う会はマスコミで大々的に取り上げられました。
2022年11月14日「news zero」で放送され、情報ライブ ミヤネ屋・news every・日テレNEWSでも掲載されています。
その後も、NHKやテレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京とテレビメディアではほとんど放送。
オンライン記事や毎日新聞などにも記載され、誰の目にも止まりました。
メディアだけでなく、街頭募金も始めて積極的に募金活動も開始。
今までの活動で、ここまで大きくメディアを使って募金活動を行ったことがありません。
庶民からしてみれば「メディアで取り上げられるほどか」と逆撫でさせてしまったことが大きな要因でしょう。
理由として、5億円という金額と、米国での心臓移植が話題性となったことが考えられます。
過去にウソの事例があった
最後に、2016年にウソの情報で「男児を救う会」が存在しました。
同じように海外移植で資金がいるというもので、男児の伯母が勝手にウェブサイトに記事を上げたことが原因です。
実際に、男児は元気に学校へ通っており、その両親もこのサイトのことを知らなかったそうです。
募集金額は1億5,000万円。
情報を見た知人により伯母は逮捕されましたが、「現金がほしかった」と話していたようです。
誰かを救う会を悪用している実例があったことも、今回のあおちゃんを救う会が怪しまれたのではないかと思われます。
あおちゃんを救う会の現在は?
あおちゃんを救う会は、2022年11月14日に募金活動を始め、2022年12月12日に目標額の5億3,000万円を達成したことを報告しています。
達成後は、募金を終了して受け入れ先の病院へ保証金を支払ったことも報告。
医療用のチャーター機を手配し、米国へ準備を開始しています。
心臓移植を行う病院は、米国コロンビア大学病院でおよそ3億4,000万円のデポジットを送金したそうです。
2023年3月30日 (木)に渡航することが決定し、医療用ジェット機で日本を出発しました。
ニューヨークのコロンビア大学へ入院後、さまざまな検査を得て4月4日「アメリカの移植待機リスト」に掲載されたと報告されています。
日本から来た患者は、病状が悪いため現地の患者より優先して臓器提供が行われる予定です。
日本からおよそ17時間の飛行で、気圧の変化から体調が悪くなることもあったそうですが、無事に移植に向けての準備が整っていることが随時更新されています。
なぜ海外で心臓移植するケースが多いのか?
日本では、2010年に開星臓器移植場が「15歳未満の小児から脳死臓器提供が可能」となりました。
臓器提供を行う「オプティングイン」という本人または家族の同意で、臓器提供する考えが採用されています。
これが、国民全体のおよそ1割で意識されているそうです。
世界の一部では「提供しない」という意思がないかぎり、臓器提供をする「オプティングアウト」が採用。
これだけでも、臓器提供者に差が出る事が分かりますね。
また、日本では移植医療を支えるシステムの整備が不十分で、家族へのケアや意思確認を行うドナーコーディネーターが不足していることも考えられます。
日本が臓器移植を始めたのは、世界とほぼ同じ時期です。
しかし、こうした臓器提供に関して意識がないことが日本に「ドナー」が足りない状況が続いています。
世界と、日本の移植手術の方法や技術の水準などは違いがありませんので、国民の意識の変化が、徐々に世界との差を縮める結果になりそうです。